スポーツライターが紡ぐ言葉。

   

スポーツ誌のNumberが好きなんですけど、スポーツライターの

金子達仁さんと木崎伸也さんって師弟関係にあるんですね

(木崎さんが金子塾の出身)。

ホ~っと思ったけど、そういわれてみれば

スタイルは相通じるものがある。

取材対象者にできるだけ近づいて

臨場感に満ちた言葉を紡いでいく手法である。

 

金子さんと言えば中田英寿のブレイクと共に

その知名度を上げていったお方である。

スポーツライターを越えた守備範囲で

(ぴあの著名人インタービューとか面白かった)、

“金子バブル”のような時代があった。

金子さんの特徴は、例えば「断層」で

サッカー・アトランタ五輪チームの攻撃陣とDFの溝を描くなど

やや扇情的な視点をもって人間性をえぐり出す泥臭いものだ。

 

そして現在、私が今注目してるスポーツライターさんが

”本田番”である木崎さんである。

取材相手に食らいついていくやり方は師匠譲りだけど

本田と木崎さんの距離感は、中田と金子さんのそれとはまた違ったものである。

本田(基本は周囲をスルー)の移動中に

木崎さんがウィットな発言で仕掛けて

ニヤっと反応した本田が、アツい言葉を投げかけるというパターン。

出待ちで発言をとるのすら真剣勝負な二人の関係性。

だが、どこかユーモラスな雰囲気も文面から漂う。

シリアスでいながらどこか突っ込みどころのある

本田のイメージ像は木崎さんの筆致に依るところも個人的には大きい。

 

スポーツライターの記事を通じて

別の角度でスポーツを楽しむのもまた一興なのである。

T.HASE拝。

 - コラム_T.HASE