俺の作詞道 ~其の伍『Boys & Girls』浜崎あゆみ~

      2016/03/30

浜崎あゆみの作詞のアプローチって独特で

情景描写から入るとか、比喩を使った婉曲的な表現があまり無く、

大部分のパートが直接的な表現で構成されております。

野球のピッチングに例えるなら

普通は変化球を織り交ぜながら組み立てるところを

ほぼ直球のみ、ストレートでグイグイ押していくスタイルです。

 

Boys & Girls

輝きだした僕達を誰が止めるころなど出来るだろう

はばたきだした彼達を誰に 止める権利があったのだろう

”権利”なんて言い回しは堅いので

サビで普通は使わないですけど

唄の意味合いに重きを置いていて

言葉の選択に制約が無い。

狙ってない表現が図らずもフックになっています。

 

本当は期待してる本当は疑ってる

何だって誰だってそうでしょ

「イイヒト」って言われたって

「ドウデモイイヒト」みたい

ポップなメロディラインに

核心をついてくる言葉が並ぶので

思わず背筋がピシっとします。

「貴方はどうなのよ!?」って

問い質されてるような気になる。

 

シンガーソングライターが

自分で歌う唄に歌詞をつける場合は

多少の衒いが入るところなのですが、

彼女の詞は躊躇がなくむき出しなので

カリスマとして支持されている理由が分かります。

T.HASE拝。

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