『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』を読んで、銀行名についての疑問が少し解ける
2016/11/27
『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録 (講談社文庫)』を読了。
非常に濃密です。
- 安宅産業破綻
- イトマン事件
- 住専問題
- 金融ビッグバン
- ダイエー再建
- 郵政民営化
西川さんが辿ってきた足取りを追うと
近代日本の金融史の一端が分かりやすくおさらいできます。
私はビジネスの世界に精通した経済に知見のある人が
政治家になるべきだと考えていましたが、
とんでもないババを引く羽目になりますね。
西川さんも郵政公社総裁時代に「かんぽの宿売却問題」など
郵政叩きで相当の圧力を受けましたが、
著作を読んでいると一民間人が耐えうるプレッシャーではない。
ところで、面白かったのが
合併の際に付けられる銀行の名称(三井住友銀行)についてのくだり
一つ問題になりそうだったのは、合併後の新会社の名称についてだ。
今でもよく一般の方から
「住友が前でなくてよかったのですか」という質問をもらう。
私はどちらが先でも構わないと思ったし、逆にそんなことで
揉めているという情報が流れたら、そのほうが恥ずべきことだと思っていた
(文中より引用)
「三井」と「住友」だと
両グループともにネームブランドあるから
どちらの名前が先にくるのか揉めそうには思ったけど
日本での銀行名については住友グループに配慮があったとのことです。
(海外業務は住友が強いので”SMBC”が採用されている)
「三井」もまた、「太陽神戸三井銀行」に合併の際に
自身の名を最後に冠することで、他行に気を使っています。
名前の順序がどうなっているかで
思惑やパワーバランスが垣間見えますね。
因みに保険会社の
「損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社」は
めっちゃ長い名前になっています。
略称も今のところなさそうで、
社内の方でも言い間違えること必至です。
T.HASE拝。