『わがセブン秘録 鈴木敏文』(勝海明:取材・構成)を読んでセブンの商品力に納得する

      2016/12/12

 

商売のエッセンスが凝縮された一冊です。

◎徹底した顧客視点 

◎相手の立場にたって考える

秘録”というタイトルになってますが、

秘め事でも何でもなく

基本を徹底して行うことが説かれています。

 

大手チェーンのコンビニは至る所にあり

店舗の存在自体が宣伝媒体物みたいなもので

認知度はそれぞれ十分である。

売上を左右するのは

商品力による処が非常に大きい。

 

おでんの出し汁について

濁りのない透明感のある出汁が出る脂肪分の少ないカツオを

で赤道付近の漁場を指定して漁獲します。

次いで、一般的にはカツオは冷凍されて運ばれますが

解凍時にドリップが出てうま味成分が抜けるのを避けるため、

冷凍せずに漁場近くの加工工場に運び

うま味成分がピークを迎える一〜二日後に素早く加工します(文中より引用)。

出し汁ひとつでこのこだわりよう

おでんの汁大海原が目に浮かぶ。

 

「金の麺」発売当日に6千万円分の全製品の廃棄

指示したエピソードが紹介されます。

コンビニの全体評価

ひとつひとつの商品

決まってしまいますから

必要以上にナーバスになるのも分かる気もします。

そこに「まぁまぁ」といった曖昧さはなく

評価軸は「良い」もしくは「悪い」しかありません。

 

※このブログはセブンのステマではございません、あしからず。

 

鈴木さんはセブンイレブンを

究極的な本質は「変化対応業」

と述べられています。

毎日変化を続けることにより、お店は鮮度を保っているのでしょう。

あまりにも当たり前過ぎて感覚が麻痺しておりますが、

関わっているたくさんの方々の不断の努力の賜物により

”便利な生活”を享受できていることに感謝しております。

 

因みにですが、私が今まで一番

セブンイレブンの商品で面食らったのが

モノトーンのティッシュ箱です。

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欲しかったのはこれだよ、これ

佐藤可士和氏プロデュースの雑貨ラインです。

ティッシュの箱は大手メーカーだと

国際コンペになる位、デザイン性が重視されてましたが、

実際に私が欲しかったものは

全く主張が無いデザインだったのです。

デザインしないことで、デザインするという妙技。

可士和さん、流石のアートディレクションです。

そして、それを受け入れる度量を見せた

鈴木さんの慧眼、恐れ入ります。

 

T.HASE拝。

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