ドラマ『銀と金』に新年早々、心抉られました。
帰省中、ポケットWiFiを借りて
合間にAmazonプライムビデオなどをチェックしていた。
グランドツアーはパッと見てもお金が
かかってるのが伝わるトップギアな映像。
映画やドラマなど、海外と日本の作品が同列に並べられると
如実に画のクオリティについては差が明るみに出る。
映像の品質とはつまり費用のかけ方であり
予算規模で日本が太刀打ちできる状況ではないが、
話の面白さは【原作＋脚本】に依るものなので
ストーリーテラーの名手が揃った
日本はそこに活路を見出したい。
私が東宝のプロデューサーなら
『賭博黙示録カイジ』の原作者、福本伸行先生に
映画オリジナル原作・脚本を依頼したいところだ。
ドラマ『銀と金』がAmazonプライムビデオで
先行試聴できます。
映像的なギミックは一切なし。
なので、話の流れと役者の演技のみに
着目して鑑賞するドラマです。
福本先生の人間の泥臭さを描く筆致は
リアリティに満ちており、
その観察力の鋭さに脱帽です。決め所の台詞が重い。
少しだけネタバレすると、
お金を借りに来た人に、金利を書かせるくだりがあります。
手札を相手に先に出させるというのは
勝負事の基本なので、
こういった細かい演出にも
福本先生の手腕が伺える訳です。
森田鉄雄役に池松壮亮氏。
若手の実力派俳優でナイーブな役どころを
担うポジションにうまく収まったのではないでしょうか。
一昔前でいうと松山ケンイチのようなニーズがあると思われます。
主演は池松氏ですがあくまで受けの演技で
本当の主役は平井銀二役のリリー・フランキー氏で
まさしく怪演です。
発声がいいんですよね。
ボソボソと喋ってても台詞が聴き取りやすい。
マイクにうまく乗る声質。
少し声を荒げた際に歪む感じもまた良い。
いかにも悪っぽい人が悪役を演じているのでなく、
何を考えているのか分からない人が底知れない怖さを感じさせる。
私が編集するなら余白を残すため
リリーさんのシーンはもう少しカットしますが
ふんだんに出てくるので、演技の妙を満喫できます。
『銀と金』かなりエッジの立っており
ピシッと背筋が伸びる作品で、今後の配信が楽しみであります。
T.HASE拝。