「野村證券第2事業法人部(横尾 宣政 著)」に面食らう。
2017/04/20
是非についてはここで問わないですが、
少し野村証券および業界の内幕を垣間見た気分です。
横尾氏は多分、後半のオリンパス事件について言及したかったのでしょうが
(かなりの紙面数を割いているがスキームが複雑過ぎて理解が難しい)、
読み応えがあるのは前半の野村證券時代でのエピソードです。
「コミッションのために買ってもらわないといけないが、
絶対に損をさせると分かっている」という時には、客に
「絶対に下がると思いますが、付き合ってください」と言うように心がけた。
(著作より引用)
損する商品を買ってもらえるって
どないやねん^^; 普通に考えてありえない商売でしょう。
間もなく本社から「社章を外せ」と指示が来たが、私は外さなかった。
野村の役員はこの頃、公の場に出る時に防弾チョッキの着用を義務付けられた。
命が狙われる企業って怖すぎる^^;
カタギじゃないやん。実際に事件があったってことでしょうか!?
「コミッション亡者」「土下座の横尾」などのパンチのある異名(ドラマの主人公か!?)と共に
ものすごくシリアスな状況が連綿と綴られています。
引用し始めるとツッコミどころについて枚挙にいとまがないので
あとは著作に譲りますが、
「野村證券」が「ノルマ証券」たる所以が伝わってきます。
対面販売の強さは、商品そのものというより
営業マン・ウーマンである”人”に紐付いているということでしょう。
”コミュニケーション”を売っているような側面もあるような気がする。
保険なんてその最たるものだもんな。
読了後にひとつ感じたのは、
人間の心とはそもそも弱いものである、ということです。
強くなくてはいけない、と気丈に構えていると
むしろ隙を突かれていく。
自分の弱さを飼いならす・自身の弱さを前提にコントロールした方が良い、と
なぜかこんな思いにふけりました。
T.HASE拝。