藤倉役の駿河太郎氏(ドラマ『小さな巨人』より)にみられる”演技における関西弁”の違和感について
2017/06/06
ドラマ『小さな巨人』に『半沢直樹』から継続して
藤倉役で駿河太郎氏が出演されております。
『半沢直樹』の頃にいい役者さんだなぁと見ていたのですが
笑福亭鶴瓶氏のご子息なんですね。後から知りました。
『小さな巨人』は香川照之氏に押し上げられる形で
おしなべて役者さんの演技が濃い目です。
通常は関西弁キャラだとコテコテになりがちなところを
藤倉は一歩引いた感じの立ち振舞いなのでうまくミスマッチになっています。
これで藤倉まで関西弁でまくし立てた演技だと全体が暑苦しくなり過ぎる。
ところで、ドラマの劇中で
関西弁の人物が登場すると妙に違和感がありますよね。
演技が上手いのか下手なのか分からなくなりますが、
これは致し方ないのです。
喋り方の間が全く違うためです。
関西弁の方がテンポが早い。
例えば
「違います」という標準語を
関西弁に訳すと
「ちゃいます」となります。
発音数が
「違います(5音/標準語)」
「ちゃいます(4音/関西弁)※”ちゃ”で1音に短縮される」
喋りのテンポ感が早いだけでなく
関西弁の方が物理的にも音数が少なくなるのです。
技術的な観点から演技を捉えると
台詞の喋り方における間のとり方はかなり重要なポイントです。
相手方の台詞を受けて、自分の声を発するタイミングが
早すぎても遅すぎてもうまくハマらないので非常に難しい。
お笑い番組で関西弁に違和感がないのは
単純に関西人の出演者が多い為です。
周囲が標準語の中で、ひとり関西弁を駆使しながら芝居をしている
駿河氏の立ち位置の難しさを念頭に置きながらドラマを視聴しております。
同様の理由で、関西人が東京に出てくると
やはり喋り言葉は標準語にシフトせざるを得ないです。
関西弁だと話し言葉の圧が強すぎる。
決して関東に迎合している訳でなく、協調性を鑑みている訳であります。
関西に帰ると”東京に魂を売った”と言われますけどね…^^;
T.HASE拝。