Charaさん 貴女は天才ですか!?『やさしい気持ち』を完全分解して楽曲解説します。

   

音故知新。古きを訪ねて新しきを知る。

Charaさん、今までちゃんと聴いたことがなかったのですが

モンスターじゃないですか。正に才能の塊ですね。

 

 

代表曲である『やさしい気持ち』について

歌詞とメロディ・コード進行の観点から紐解いてみます。

 

 

楽器.meのサイトから歌詞とコードについて引用しました。支障があるようであれば削除しますでお手数ですがご教示ください。

※原曲はG♭ですが分かりやすいようキーをCに移調しています。コードネームが違っていたら当方の責任となります。その際はひとつご容赦ください。

 

赤丸の番号を照らし合わせてご拝読ください

①AメロとA’メロについて

Aメロに続くブロックがA’(エーダッシュ)メロとなっています。

コード進行が同一で、メロディを可変させている。

土台はそのままで、気ままにメロディラインを口ずさんでいる様子が

歌の主人公とCharaさんの奔放なキャラクターをうまい具合に表現している。

 

②Aメロの冒頭を”なけない女”と”なれないあたし”と韻を踏む

Aメロの始まりをライム(1番:なけない 2番:なれない)とすることで

1番と2番のブロックを区分けする楔になっており、全体の構成がきちんと整理されている。

 

③Aメロ最後の変遷による心情の揺れ

抱きしめて(1番Aメロ)⇒とめないで(2番Aメロ)⇒とめられない(2番A’メロ)⇒離さないで(2番サビ’)⇒とめないで(ラスト)

抱きしめてほしい・離さないでほしいのか(束縛)

それとも

とめないでほしいのか・とめられないのか(自由)

一体どないやねん^^;

 

同じメロディに相反する意味合いの言葉を乗せることで

振り子のように揺れる心情をうまく描いている。

16分音符のシンコペーション(裏拍)音型が印象に残ります。

 

④手をつなごう 同じ歌詞を別のフレーズに用いる

”手(て)”つまりタ行の言葉は舌を口蓋から勢いよく離し破裂させるので

パンチを出しやすくサビの高音にはもってこいです。

 

”手ぇ〜をぉ〜”(G⇒C 5度の下降進行)

同じ音符・リズムのモチーフ

1番サビと2番A’メロという違った場所にもってきています。

同一モチーフを別の場所へそのまま移動させたり、

メタモルフォーゼさせながら引用していくのは

古典音楽から連なる、楽曲に統一感を持たせる技法です。

 

サビは1番と2番とで微妙にコード進行に手を加えれておりフックとなっています。

(冒頭が1番:C→Fadd9  2番:C→B♭ から入る)

サビの中途に出てくる ”手をつなごう”ですが(緑のマーカー箇所)

1番(上昇)と2番(下降)

ベースラインを対称的にさせているのが妙味となっていますね。

思わず唸らされました

 

Aメロはコード進行が同じでメロディが違う

サビはメロディが同じでコード進行が違う

Aメロとサビシンメトリーとなっている構造シビレます

 

⑤最後も”手をつなごう”でしめる

ライブではサビ”手をつなごう”大合唱となることでしょう。

歌いやすい、実にキャッチーなバースです。

そして大ラスのAメロでもダメ押しに”手をつなごう”をもってきて

こちらはサビと違いシットリと表現することでふくよかな余韻が残ります。

 

 

一聴すると鼻歌がそのまま形となった直情的な楽曲と捉えていた

『やさしい気持ち』について、細かく考察していくと

実はものすごくロジカルに構築されていたことに

度肝を抜かれました

 

クセの強いCharaさんの歌唱法が

どちらかと言うと昔は苦手だったのです。

くるりの岸田さんとのコラボ曲に導かれて

中毒性の高いCharaワールドへと一気にハマりました。

その魅力に気付いていなかったものが

まだまだ沢山世の中に存在していることに

ワクワク感を禁じえません。

 

T.HASE拝。

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