ムーントーク第七夜「松田聖子」をアップしましたが、松本隆氏の詞に感銘を受けた。

   

前夜に続きまして「松田聖子」ついて語っております。
改めて色々と聖子ちゃんの曲について検証したのですが、
松本隆先生の歌詞がすごいな。
邦楽の歌詞を詠みこむのがマイブームなのですが
本当に良く出来てるなぁと感心することしきりなのであります。

例えば『瞳はダイアモンド』
これって、”ダイアモンド”
傷つかない心は小さなダイアモンド⇒硬い意思
涙はダイアモンド⇒涙の光り方
それぞれのダブルミーニングになってるって
皆さんご存知でしたか!?(ファンなら周知かと思いますが)
俺が作詞してたら思わず”ドヤ顔”しそうな
よく出来てるフレーズです。
詠んでる時に気付いて思わずニヤリとしてしまいました。

作曲は呉田軽穂(ユーミン)で曲調は明るいメジャーなのですが、
歌詞は失恋の曲でより切なさが際立ってます。
笑顔で暗い歌を歌う、これこそエンターテイメントの真髄!

”幾千粒の雨の矢たち”とか鋭い言葉も所々に使ってますが
語感とメロディが違和感なく馴染んでおり自然と耳に入ってきます。

Aメロ始まりの”映画色の街”って表現も歌詞ならではの
比喩的な言葉の使い方ですが、セピア色のフィルムのようなイメージを提示しており
歌の世界観に一気に引き込ませるのに一役買っています。

マイナーコードから始まる”愛してたって言わないで”の
疑問を投げかけるような冒頭のフレーズが
歌の中で次第にその意味を明かされていく訳ですね。

短い文節にこれだけのストーリーを喚起させる
松本隆先生の手腕に思わず脱帽であります。

T.HASE拝。

 - 本・マンガ, 音楽