ドラマ『カルテット』予想できない行く末に、十牛図的ストーリー構成の斬新さをみる。

      2017/03/01

定点観測を続けております、TBSドラマ『カルテット』。

※ネタバレ含みます、ご留意ください。

 

 

 

 

 

マキさん(松たか子)さんの旦那さん(クドカン)は

生きておりましたが警察に出頭して、お二人は別れることとなりました。

そして、マキさんは”カルテット”の元に帰っていきます。

ストーリの端緒は、

マキさんが”失踪した旦那さんを実は殺したのか!?”を基軸に

進められており、一旦その答えは出て区切りはついた訳です。

 

よくわからない講演をした方がウケた話 【World IA Day 2017 KYOTO】(谷口マサト)

「空手はよく分からないからだろう。例えば柔道はわかりやすいからアメリカでは流行っていない。

アメリカ人は好奇心が強いから、空手の型とか黙想とかよくわからない部分を喜ぶんだ」という話だった。(上記リンクより引用)

『カルテット』7話目を見ていて、

谷口マサトさんの面白かった記事を思い出しました。

ハリウッド的なストーリー展開だと、

『カルテット』は提示されていた謎が解けて帰結を見せているのです。

ところがまだ物語は続いており、

十牛図でいうところの七、忘牛存人の状況に突入しております。

敵キャラもとい対抗軸となっていたクドカン、吉岡里帆(敬称略)などは多分出番がなくなるであろう。

そして、6・7話で若干影が薄くなっていた主要メンバーに再びスポットが照らされる

1話目を見ているようなカルテット4人での

食卓のシーンに回帰した訳である。

マキさん夫婦のストーリーが主題であれば

これにて終了、でも成立はするのだが、あと3話も残しており

何がこの先に起こるのか、まったく読めない。

既になんらかの伏線が仕掛けられているのであろうか!?

 

口コミで見始める新しい視聴者の方は、これ以降まったくついていけない展開です。

新規獲得を想定していない、ある意味振り切っているドラマのつくりとなっていますが

複数回の鑑賞に耐えうる奥深さを備えているという意味で

『カルテット』は上質な旋律を奏で続けているのであります。

T.HASE拝。

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