菜々緒をモチーフに”線”の描き方を検証する〜俺のお絵描き道③〜

      2017/03/02

イラストにおいて

”線”の描き方が、絵師の個性となります。

 

絵を描くのに慣れていない方は、線の太さが均一になる。

 

太さが同一だとキャラクターっぽい雰囲気となります。

 

 

 

リアリティを追求すると、

光が当たっている部分=線が細く(光で飛んでいる状態)、

光が当たってない部分=線が太く(影になっている状態)なります。

この絵だと向かって左側から光が当たっているので

右側にいくに従って少しずつ線幅を太くしています。

 

 

線に抑揚ができると現実を投写した生命感が絵にでてくる。

凝った絵になるほど、線の太さを細かく変えているのです。

鉛筆だと太さにメリハリがつきやすいですね。

下描きの見栄えがいい理由です。

因みに漫画家さんが使ってるGペンなんかは

太さのコントロールが難しいので鍛錬が必要となります。

 

自然界のルールに則して、線の太さを微妙に変えながら

光と影、質量(軽さ・重さ)を受け手側の脳内に

イメージさせるのがポイントです。

もちろん、線幅がまったく同じでもテクニックにより

緻密でリアリティを獲得している絵もあります。

 

 

以前も指摘しましたが、

描かず想像に委ねるのが

鑑賞者にとって一番美しく映るのです。

大きな声で言えませんがいかに

勘違いさせるか・ごまかすかが鍵。

顔の輪郭もハッキリ描くと、どこか歪になってしまうので

光が当たっている箇所は”飛ばす”のもひとつのテクニックです。

 

むしろ、描き込むとリアルな世界に近づくためにアラが目立つ

いかに”手を抜くか”に注力して日々作業している次第です。

”引き算の美学”といえば格好良いか。

 

T.HASE拝。

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