〈ドラクエ〉により音楽的”セブンセンシズ”に目覚める
2017/08/02
ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて発売開始されました。
私はゲームをやらない人間なのですが(コントローラーの操作が苦手)、
小・中学生の頃にリリースされていた
ドラゴンクエストⅠ〜Ⅲの
クリエイティブワークにはすごく影響を受けました。
イラストについては鳥山明先生による
キャラクターのメインビジュアルをせっせと模写していました。
幼少の頃から惰性でやっていた音楽・ピアノに対して
前のめりの興味が生じたのは
すぎやまこういち先生の楽曲に依るところが大きいです。
当時、中学校のブラスバンドの先輩の方に
レコードジャケット(レコード・カセットの時代)に掲載されていた
楽譜とコード譜のコピー紙をもらいました。
それまで能動的に練習したことなかったのですが
BGMをピアノを弾くようになったのです。
当時のゲームは同時発音数が3和音だったので
幾つかの曲はコピーしやすかった。
ロトのテーマについて
ファンファーレのあとに続く
メインテーマ冒頭の音の構成に疑問が生じました(上記の譜面を参照)。
2つしか音がないところで
ドとシ♭の全音で隣り合う音が選ばているのです。
中学生時分の私は、普通に考えてドとソ、もしくはミだろうと思ったのです。
ところが、すぎやま先生は
弱起にC7thの構成音からドとシ♭をチョイスすることで
一瞬、音がぶつかったような印象を与えつつ、
小節頭のF(ファ/ラ/ド)に解放感を与えているのです。
しかも2音から3音に増えることで広がり・重厚感を表現している。
たった3音ながら
引き算の美学といいますか、
フルオーケストラのイメージが湧き上がるような緻密な構成です。
制約の中からクリエイティブが産まれる。
ピアノで弾いてコピーすることで
7th(セブンス)の妙味に気付かされました。
他にもドラクエⅢの祠のテーマ
ド頭のFM7(エフ・メジャーセブンス)の響きの流麗さなど
音の宝箱たちに心奪われたものです。
ピアノを習っている頃はコードの概念をまったく知らなかったので
以降、少しずつ基本的なコードネームを覚えていきました。
私のようにバイエルやハノンのようなピアノの練習が嫌いだけど、
ポップスや流行りの歌や曲に興味が生じた子どもには
コードを教えるのも一手ではないでしょうか。
コード知っていれば伴奏をつけられるようになりますし、
音の成り立ちも理論的・立体的に把握できるようになるので
非常に有効ですね。
T.HASE拝。