ドラマ『anone』坂元裕二氏のストーリーテリングに改めて唸らされる。
日テレドラマ『anone』を見ましたが面白かったです。
昨年度、熱狂した『カルテット』の脚本家:坂元裕二氏の作品。
坂元氏の脚本は非対称なものを並べながら、
要所でシンクロさせることにより瞬発力を生んでいます。
(以下、役者さんについて敬称略)
小林聡美⇒焼きうどんを絶賛
阿部サダオ⇒実はお店を畳む
※二人は”死”でリンクしてる
冒頭の丁々発止のやり取りから坂元節が全開。
広瀬すず演じる主人公のハズレは
対となる主人公のカノン(病床に伏せている)と
スマホのSNSでやり取りをしている。
ナレーションによる独白と
スマホを入力する表情のみでありながら
広瀬すずの説得力ある演技によりラストは惹き込まれました。
坂元氏のホンは会話劇に妙があるのですが、
敢えて制約を設ける(2人は対面しない)ことで
新しいアプローチを試みているように見受けられます。
最後に「あのね」「またね」で結ぶところなどは流石の所業。
水田伸生氏が演出されていますが、印象に残るすごく丁寧な画作りです。
非日常的な空間にリアリティを持たせている。
カット割りや青みがかった色のトーンなどすごく好みの映像であります。
三宅一徳氏の劇伴音楽も良いですね。
テーマとして流れる『A-B-C#』という音が『A-NO-NE』に
聴こえるというのは考えすぎか^^;
今の時代は地上波もNetflixやAmazonプライムビデオなどがライバルなので
手間と予算をしっかりとかけないと、太刀打ちできないということでしょう。
前歯を抜いた根性(碓井玲菜)にガチ度が伝わってきます。
シリアスなトーンかと思いきや、コミカルでもあり
悲喜こもごも様々な感情が渦巻いた
人間模様が今後も楽しめそうであります!
T.HASE拝。