サンドウィッチマンのコント〈学習塾〉を分析することでストーリーテリング術を学ぶ。
2018/03/17
サンドウィッチマン(以下、敬称略)は
行列のできる塩ラーメン屋です。
激辛のようなインパクトは無いが、癖になる味。
最後までスープを飲み干して
また足を運びたくなる中毒性があります。
私は兵庫県民なのですが、
関西人は他の地域の笑いを評価したくないたくないという
妙なプライドがあります。
サッカーにおけるブラジル人の如く。
唯一の例外としてサンドウィッチマンは認めます。
(あ、ナイツもオモロイかな。)
コント【学習塾】ですが
伊達みきおが講師を務める小学生の学習塾に
富澤たけし演じるダンディなキャラが
入塾してくる違和感(※体型は決してダンディでない)からして面白いです。
富澤がゴルゴ13風な立ち振舞で、なんとなく独白する台詞が予想できます。
キャラクター像が分かりやすい為、事前の説明無く早い段階で世界観に没入できます。
笑いが起こっているシチュエーションを3つピックアップしてみました。
①伏線の回収(1:07〜)
もしそれを仮に仕事というのなら…
”大学で遊びたい”と言い放ちながら、”遊んでいる暇はない”とのたまう富澤。
直近の前フリから伏線を回収していく見事な一連の流れです。
②モヤモヤ感、からの解放(2:17〜)
注1での苦笑い(人間!?)では伝わりきらなかった意味を
注2でイントネーションをつけた”仔牛”の言い方により
明確にさせて(こうし=小さな牛)大笑いを生む。
緊張と弛緩によるテクニックです。
このあとにも頻出する富澤の「いいだろう」は他のコントでも出てくる決まり文句です。
水戸黄門の印籠のような安心感が担保されます。
③配置の妙(6:02〜)
そもそもこの問題を出しているのは誰だ?神か!?
これまで丹念にボケを拾っていた伊達が
ここにきてツッコミを放棄することで
一瞬の静寂からの爆笑が炸裂しました。
後半の一番盛り上がってくるところで配置したからこそ機能した
ツッコまないことによるツッコミ。
構成が実に上手く練られております。
(この後に続くやり取り↓)
無言に続いて次は背中越しによるツッコミ。
匙投げ感が更なる伊達のトホホな心情を巧みに表現しております。
テキストでは伝わりづらいニュアンスもあるので
是非、映像で観てもらいたいですね。
しっかりとした骨子のあるネタを、
お二人の高い演技力によって笑いを更に増幅させています。
演技は間(ま)が肝心とはよく言われますが
上述の伊達による無言ツッコミなんて絶妙であります。
サンドウィッチマンのコントは
誰もが一度は耳にしたことのある文言や
目にしたことのあるシチュエーションで
組み立てられております。よって非常に理解しやすい。
一見、誰でも似たようなコントが作れそうに錯覚します。
が、分かりやすいものを創るのが、一番難しいものなのです。
どのコントも安定して面白い。【旅館】もオススメの逸品です。
T.HASE拝。