『十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争』が面白い

   

朝日新聞記者の峯村健司氏が中国共産党を取材した著書、

最近読んだ本で特に面白かったです。

こういう命を張って取材してるジャーナリストの本は

非常に濃密で、読み応えあります。

峯村氏は若手の頃に和歌山毒物カレー事件で林容疑者に

家に上げてもらって取材を許されていたとの事です。

 

この本を読んで中国の権力闘争の一端を垣間見ることができましたが

自分の住んでいる世界とあまりにも乖離しすぎてて理解に及ばない所もあります。

そして、若い頃は大して目立った存在でなかった習近平が13億人のトップに

上り詰めた軌跡が計算され尽くされたものだったとすると、

その周到なやり方に驚嘆せざるを得ません。

ものすごく掻い摘んで言うと、

優秀ですごく目立ってた人は派手な振る舞いにより出過ぎた杭が打たれて、

一見ボンクラ地味た人がスルスルッと出世街道を登り切ったイメージ。

 

面白いのが峯村さんは著作の中で、取材対象者の事を”友人”って呼んでるんですよ。

つまり、相手の懐にどっぷりと入り込んで情報を引き出している。

人ってどんなに隠さないといけない秘密を持っていても

心底まで胸襟を開いた人にはつい喋りたくなる気持ちが

生じてしまうのだろうなぁと思いました。

 

T.HASE拝。

 

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