坂本龍一教授の新作『async』をこれからジックリと堪能していきたい。

      2017/03/30

遂に教授こと坂本龍一の新作『async』がリリースされました。

[amazonjs asin=”B01MZEHB0T” locale=”JP” title=”async”]

 

これはスピーカーの前で正座をして聴かねばならん、と意気込み

最近少しバタバタしておりますから

落ち着いたタイミングで耳にしようと思っていたのです。

 

が、音楽は生活の中で自然に流れてくるものだと捉えなおして

何気なく聴き始めました。

async、すごくシックリきます。

もう冒頭の『andata』から好き過ぎる。

 

 

昔、手術したことがあるんですけど

前夜に心を落ち着かせようと音楽を聴こうとしたのです。

しかし、リズムがハッキリしている

ロックやポップスはまったく耳に入ってこない。

クラッシックならオーガニックな音なので良いかと思ったのですが

これもハマらず取り止めました。

音楽という形式的な器(!?)自体への忌避感みたいなものが

無意識下に生じたのです。

生理的な不快感までもよおすレベルの拒否反応でした。

 

音楽を聴くことができない。

 

とはいえ無音で過ごすのは心もとない。そんな中で

教授の『out of noise』を手に取ったのです。

[amazonjs asin=”B001OFB8HE” locale=”JP” title=”out of noise”]

いわゆる前衛的と形容される、抽象度の高いアルバム

当初は殆ど聴き込みませんでした。

私の耳のレベルが遠く及ばないものだと捉えて

年老いてから聴こうとしまっておいたのです。

ですが、手術前のざわめきの中で

唯一、『out of noise』のサウンドだけが心に響きました。

気持ちの良い音色だけが入っており、

何も考えずに没入し、文字通り耳を澄ますことができる。

心のあり方を問われた、これは非常に不思議な体験でした。

 

因みに、目の手術だったのですが

先生が手術室でBGMで流していたのが

『瞳を閉じて』だったのはちょっとウケました。

無理やり瞳孔開かされてメスを入れてる訳ですからね^^;

 

以来、『out of noise』は愛聴盤ですし、

徐々に抽象的な音楽(というか”音そのもの”)のジャンルにも

興味が湧いた次第です。

 

8年ぶりにリリースされた、教授が好きすぎて

誰にも聴かせたくないと仰られた『async』。

これからの人生を共にする1枚となりそうです。

 

あと、テイ・トウワさん新作『EMO』もドロップされましたが

テイさんは教授へのリスペクトを込めて

発売時期を合わせたんじゃないかなぁ。考えすぎか!?

 

T.HASE拝。

 

 - コラム_T.HASE, 音楽