TBSドラマ『小さな巨人』を視聴レポ。『半沢直樹』との違いについて。

      2017/05/04

毎週1本、違ったドラマを見ようと

日曜劇場『小さな巨人』|TBSテレビ を視聴。

カメラのズーム・寄りを多用したカメラワーク

重厚な劇伴音楽やたらデカい発声の台詞回し

確かに『半沢直樹』テイスト全開ではある。

以前の記事でキムタク『A LIFE』のような大型作品の

前後に来るTBS日曜劇場は予算を使い果たして小品になると書きましたが、

手練揃いの役者の顔ぶれも去ることながら、エキストラの数も多く

結構バジェットをかけて作られているような印象である。

 

香川照之(以下、敬称略)ありきのドラマといっても過言ではない。

香川さんの演技に引っ張られる形で

役者さん達の演技の熱量が引き上がっているがある。

顔芸然り、腹から声を出す発声の仕方が

完全に歌舞伎役者モード。

香川さんと、堺雅人と似た系統の主役キャスト長谷川博己を軸に

キャスティングを決めていったのであろう。

 

『半沢直樹』のフォーマットを引用しながらも

独自性のあるチャレンジもある。2点紹介したい。

1つ目は、オリジナル脚本で且つ1人の方が執筆しているという点。

とかく漫画を含めて原作ありきの作品が多く並ぶ中で

前クールの『A LIFE』然り、オリジナル脚本で勝負している

日曜劇場の姿勢は評価できる。

執筆しているのは丑尾健太郎さんという脚本家の方で

印刷会社で膨大な脚本を校正している中で

創作・執筆技術を培ったという経歴が面白いです。

TBSといえば橋田壽賀子先生や『高校教師』の野島伸司など

脚本家の作家性を全面に打ち出した作品を得意としてきた局なので

DNAは今も引き継がれているということでしょう。

私見ですが日本のドラマの面白さはホンのクオリティに依る処が大きいと考えます。

 

もう1点は『半沢直樹』の劇中にはいなかった

岡田将生演じる山田春彦のポジションである。

敵だったキャラがやがて味方になるのは

『ドラゴンボール』スタイルで鉄板のドラマツルギー。

ストーリーの進行と山田の心理的葛藤が交錯していくことで

先々の展開に、より深みが与えられることとなります。

(しかもまだ、主役である香坂側に付くか不明で行末が気になる)

ネット上では神出鬼没な現れ方から

「ストーカー山田」の称号を得ていますが

ツッコミどころの余白があるのもまた良しです。

 

大和田常務の土下座を超えるラストシーンが見られるか!?

ソースのように濃いテイストのドラマ、

決して嫌いではない自分の趣向に気付きました。

T.HASE拝。

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