『空気を読んではいけない(青木真也著)』は社会を生き抜いていくサバイバル白書。
2016/10/30
社会に出たらノールールの総合格闘技を闘っているようなものです。
どこからパンチが飛んで来るか分かりません。
”自分は安全圏にいる”という考え方は危うい。
敬語について以前書きましたが、己の身は自分で守るしかない。
青木真也氏のストイックさにはまったく及びませんが
目的遂行の為にどこまで自身を追い込んでいけるのか!?
生きていく上で問いは続いていきます。
”空気を読まない”=”周囲の状況に流されない・同調圧力に屈しない”
と理解しました。
ところで、以前は青木真也氏が全く好きではなかったのです。
試合後、相手選手に対するリスペクトを欠いた行為を
見て「この人なんやねん!?」と思いました。
警察官出身やのにあの振る舞いはないだろう、と。
(著作の中にもその時の様子が書かれています)
加えて、スパッツの色が非対称の上、配色が奇抜で
センスを感じず、以降まったく遠ざかることとなりました。
編集を担当された箕輪厚介さんの打ち出す企画が面白いので
今回、たまたま本を手に取りました。
読了後にネットでいくつか試合のダイジェストもみたのですか、
試合運びはトリッキーで魅了されました。
そしてオセロのように好悪の感情が、黒から白へとひっくり返ったのです。
受け付けなかったものが一転して好きになる時の振り幅は大きい。
本音で生きていくのは摩擦を産み出しますし、
他と一線を画す存在であるのは腫れ物扱いになる可能性もあります。
それでもブレがなければ周囲はその強い磁力に次第に惹かれていきます。
アンチがいれば応援する人が出てくる。
これまでの実績や技術的な裏付けがあってこそですが、
説得力のある青木氏の考え方に学ぶべき点が多かったです。
T.HASE拝。